1: 以下、名無しにかわりまして陽気なVIPがお送りします 2013/06/20(木)16:49:39.03 ID:wzot/hv40
大学の帰り、散歩がてらに通った路地の向こうに、妙に開けた場所があった。
地元なのにこんな場所は見たことがなく、まるで異世界のように感じた。
見通しのいい道路と目の前に1つ高くそびえる銀行。
潰れて長い時間が経っているのか、銀行の看板が剥がれ、何銀行か読めなくなっている。
廃墟やゴーストタウン、心霊スポットなど、
人が消えた建造物や街や特殊な雰囲気を持つ場所を
前からネットでちょくちょく見ていて、そういうものには結構興味を持っていた。
突然の出来事に驚きつつも心は浮き立ち、
どこから入れるかを探してみた。
9: 以下、名無しにかわりまして陽気なVIPがお送りします 2013/06/20(木)16:52:33.18 ID:wzot/hv40
まずはダメもとで正面玄関のドアに手をかけ力を入れてみる。
鍵が引っ掛かってガンッガンッと反発されることを想像していたが、
予想に反して、力を込めると重たいながらもきちんと開いた。
中に目を向けると、真新しい蛍光灯の明かりが屋内を照らし、
人の話し声が賑やかに響いている。
外から見たらあからさまに潰れて打ち捨てられた銀行だったのに、
中に入ると、まるでそれが嘘のように活発に人が行き交っている。